研究を進める上でまず最初に行うことと言えば、先行研究探しだと思います。
これまでにどういったことが行われてきたのかを知らなければ、例え新たな発見や理論の構築を行ったとしても、それが本当に新しいものなのかどうかわからないためです。
しかし、例えば「新言語学」と呼ばれる生成文法は「新」と付いていますが、それでも1950年代からすでに半世紀以上研究が行われており、たとえ1つのテーマであったとしても先行研究すべてを素早くまんべんなく探して目を通すのは、これまでの方法では難しくなってきています。
その解決策として、AIに先行研究を探してもらうというのはいかがでしょうか。
ChatGPTに探してもらうことはほぼ難しい
「AI」と聞いて真っ先思い浮かぶのは、昨今何かと話題になっているChatGPTではないでしょうか。
しかし結論から述べると、ChatGPTは専門論文を教えてくれません。
私も1度、ChatGPTに先行研究を尋ねてみたことがあります。
そのとき、ChatGPTにどのように尋ねたのかは覚えていませんが、確か「○○についての先行研究を教えて」といった聞き方だったと思います。
そのように尋ねると、ChatGPTは5行くらいの文で「○○(19XX)では△△が提唱され……」といったふうに、先行研究を要約してくれました。
そのとき、「これなら、最初からGoogle Scholarなどで検索していくよりも遥かに便利だ!」と思ったものです。
しかし、実際にChatGPTが言っていた「○○(19XX)」という論文をGoogleやGoogle Scholarで検索してみても、全くヒットしません。
他にもChatGPTで取り上げられていた論文をGoogleとGoogle Scholarで検索してみましたが、1つもヒットしませんでした。
つまり、ChatGPTは誤った情報を提供していたのです。
これでは、全く研究は進みません。
それどころか、学生がChatGPTの記述だけを鵜呑みにして卒論の中間発表なんかに持ってこられては、たまったものではありません。
これはChatGPTが悪いというよりも、単にChatGPTは万能ではないことを示しているだけかもしれません。
そもそも当初の目的として学術研究への使用は考えられていないのでしょうから、仕方ありません。
先行研究を素早くまんべんなく探す方法はないのか?
では、やはり先行研究は依然としてGoogleやGoogle Scholarで地道に検索していかなければならないのでしょうか(これでもインターネットのない時代に比べたらだいぶ進歩していますが)。
Elicitがよさそう
私も最近知ったのですが、Elicit (elicit.com)というサービスが望みを叶えてくれそうです。
ここでは、検索ボックスにキーワードを入れると、AIが関係する論文を探してきてくれます。
そして、先ほどのChatGPTのように、重要な論文をいくつかピックアップし、5行程度で要約してくれます。
こちらの要約に出てくる論文は、ChatGPTとは異なり、実際に存在する論文です(とは言え、完璧ではないので誤りもあります)。
さらに、関係する論文も一覧表示してくれます。
表示順も、重要度に基づいて並べ替えることもできますし、年代順に並べ替えることもできます。
重要度順に並べ替えてくれるのは、本当に助かります。
学会発表なんかで重要な論文が先行研究として挙げられていなかったら、「そんなのも読んでないのか!」と血祭りに上げられますから。
年代順に並べ替えられるのも助かります。
最も古い研究に敬意を払って引用できますし、最新論文であれば(それがまともな論文なら)、たたき台として使用していくことができるからです。
登録は簡単。完全無料ではないが、高くもない。
登録にはGoogleのアカウントなんかも使用できるため、すぐに使い始めることができます。
しかし、完全無料ではないため、注意が必要です。
無料登録時には5,000 credits貰え、それでいくらか検索できるのですが、この5,000 creditsを使い果たしたら1$で1,000 creditsずつ購入していくことになります。
ただ、さほど高い金額ではないですし、継続的に料金が掛かるわけではなく、必要なときに購入すればよいようです。
たったこれだけの金額で先行研究探しが一気に進むと考えると、安いものだと思います。
先行研究はAIに探してもらう時代が来た
先行研究探しは重要な一方、なかなか大変な作業です。
しかし、そんな大変な作業はAIに任せ、人間は中身に集中できる時代が来たようです。
なんでもAIに頼ってしまうのはよくないですし、AIを悪用する人も少なからずいますが、活用次第では私たちが本当に大切なことに集中できるようにしてくれるのもAIなのかもしれません。
ただでさえ多忙な毎日ですから、少しでも「雑務」はAIに任せて楽をし、大切なことに向き合っていきたいと思う今日この頃です。

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