生成AIのメリット・デメリットと活用方法について

Chat GPTをはじめとした生成AI(または生成系AI)が注目され、今では活用している企業や自治体も出てきています。
私も日頃から、大学教員という観点からそのメリットとデメリット、活用方法を考えていますので、簡単に感想を述べておきたいと思います。

生成AIのメリット

自然な文で検索できる

生成AIのメリットの1つは、従来の検索エンジンのようにキーワードで検索するのではなく、自然な文で質問できることではないかと思います。
インターネットでの検索に慣れていない人は、検索エンジンにキーワードではなく文を入力してしまい、なかなか目的の情報にたどり着けないということが起こるのですが、生成AIではそもそも文で質問するため、この問題が解決されるものと思います。
実際、私の両親はGoogleやYahoo! Japanの検索窓に文を入力してしまっています。

瞬時に情報を得られる

メリットの2つ目としては、瞬時に情報を得られることではないでしょうか。
検索エンジンを使って情報を探そうとすると、関係するキーワードを考え、何度か検索する必要がありますが、Chat GPTのような生成AIであれば、瞬時に情報をまとめてくれます。

意図したものをクリエイティブに作成してくれる

メリットの3つ目としては、こちらが依頼した文章などをクリエイティブに作成してくれることがあります。
例えばChat GPTであれば、「○○での挨拶文を考えてください」とお願いすれば、挨拶文を瞬時に考えてくれます。
メカメカしい、不自然な日本語になる場合もありますが、それを手直しすれば十分に挨拶文として使えるものができあがります。
最初から書くよりも、手直しをするだけの方がはるかに楽です。
メールや送付文書の鏡文なんかも、生成AIにお任せした方が業務効率が上がると思います。

PowerPointのスライドに何かイラストを入れたいと思ったら、Stable Diffusionのようなイラスト系の生成AIを用いれば、瞬時に目的に合ったイラストを生成してくれます。

ここではすぐに思い浮かぶ3つのメリットを挙げてみましたが、これ以外にも生成AIを使うメリットはたくさんあると思います。

生成AIのデメリット

情報の信憑性が怪しい

生成AIのデメリットとしては、情報の信憑性が怪しいことがあることが挙げられます。

私も、新たなテーマで研究を始めたいと思ったときに、そのテーマの主要な先行研究にどんなものがあるのか、Chat GPTに尋ねてみたことがあります。
すると、「○○(19○○)では……」「○○(20○○)では……」といくつか文献を挙げ、その内容を簡単に紹介してくれました。
「これならもうハンドブックを読まずに直接先行研究に当たれるじゃないか!」と思ったわけですが、冷静にChat GPTが挙げた文献をGoogle Scholarで検索しても、1つも存在していませんでした。

つまり、Chat GPTは平気で、当然のように、まるで本当のことのように嘘をつくのです。
嘘っぽく嘘をつくのであれば冗談として笑って済ませられるのですが、本当らしく嘘をつくため厄介です。
これでは、嘘というより詐欺と言ってもよいレベルです。

このように、生成AIが提供してくれる情報は信憑性が怪しいため、提供された情報が本当に正しいものなのかどうか、自分で調べ直す必要があります。
警察で言う「裏を取る」という手順が必要となるわけです。

著作権がクリアしているのか怪しい

生成AIは、正しいことも言いますし、イラスト系の生成AIであれば正しいとかそんなことは考えずに使用できそうです。
しかし、著作権に関する問題が浮上します。

生成AIは、大量のデータをインプットして文章やイラストをアウトプットするわけですが、そもそもそのインプットとして使用しているデータについての著作権が問題となります。
あるデータをインプットすれば、それに類したものをアウトプットするわけですが、元々のデータの著作権者がインプットとして使用してよいと許諾しているわけではありません。
そして世界的に、機械学習のインプットとして使用されるデータについての著作権が問題となっています。

この著作権問題、国によってOKだったりアウトだったりするわけですが、まだ結論は出ていないようです。
現段階で生成AIで生成したものの使用が著作権法上問題なくとも、将来的には問題となり、使用できなくなる可能性もあります。

レポートの見極めが難しくなる

これはデメリットと言うより、大学教育特有の問題かもしれませんが、レポートが学生によって作成されたものなのか、Chat GPTのような生成AIによって生成されたものなのか、見極めることが難しくなります。

生成AIは便利なものなので、使用を全否定するつもりはありませんが、これまでの講義の理解度を測るレポートで生成AIを使われては、教員は正しく学生の理解度を評価できません。

これは、芸術系の科目でも言えることかもしれません。
例えば、Stable Diffusionのような生成AIで作成した絵をそのまま使用することはないかもしれませんが、それを下絵として油絵を作成した場合、それはその学生が作成した作品なのでしょうか。
判断が非常に難しいものだと思います。

生成AIの活用方法

では、生成AIは全く活用できないのでしょうか。
そんなことはないと思いますし、むしろ活用すべきです。

私は生成AIの活用方法の1つとして、イラスト付き辞書を考えています。
紙の辞書や、これまでの電子辞書は単語の意味と例文、語法が載っているだけでしたが、単語1つ1つに関係するイラスト付きの辞書があれば、理解度も深まるのではないかと思います。

もちろん、英語力が上がって抽象的な語が増えてきた場合、イラストを載せるのは困難です。
しかし、小学校向けの辞書であれば、イラストがあった方が直感的でわかりやすい辞書を作ることが可能だと考えています。

GIGAスクール構想によって小学校では一人1台の端末が配られていますので、そうした端末の有効活用にも繋がります。

イラスト付き辞書は、教員の立場からも使用可能です。
教材に挿絵を入れたいと思ったら、辞書にキーワードを入れれば関係するイラストが現れるためです。
この使い方であれば、小学校の教員だけでなく、中学校や高等学校の教員でも使用できそうです。

こういった話を、今度の北海道英語教育学会HELESで発表しようと考えています。
http://www.heles-web.com/heles_conference.html

私は英語教育の専門ではないのですが、「所属学部が教育学部であるため、教育に関する研究もしなければならない」という、あまり積極的ではない理由で始めた研究でした。
ただ、せっかく時間を割いて研究するのであれば、よいものを作りたいと思っています。

ご興味のある方は、何かご助言いただければ幸いです。

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